前回のブログでは、猫背の大切さについて書きました。猫背にうまくなれるとは、身体を丸くできるという事です。とはいえ私は、「背すじを伸ばす」事を否定している訳ではありません。背すじを伸ばせる事は、身体を丸くできる事と同様に、大切な能力です。本日のブログでは、「背すじを伸ばす」事についてどの様に行うべきか、私なりの考えをご紹介したいと思います。
まずは、以下の図をご覧ください。

既におなじみの図だと思います。上記の図の中で、最も背すじを伸ばした姿勢とは、右端のEにあたるでしょう。しかし、私はEの姿勢を❌と評価しています。なぜなら、Eの姿勢は背部の過度な筋活動に頼っているからです。
次に、以下の図をご覧ください。

私はこれらの座位姿勢を⭕️と評価しています。なぜなら、これらの姿勢はどれも首肩周りの余分な力が抜け、座骨をうまく使って身体を支えているからです。
この図の中で、最も背すじを伸ばした姿勢とは、右端のDにあたるでしょう。とはいえ、日常生活において背すじを伸ばす際には必ずしもDの姿勢をとる必要はない、と私は考えます。前回のブログで述べましたが、Bの姿勢は下を、Dの姿勢は上を向く事に適した姿勢です。日常生活においていわゆる「背すじを伸ばした姿勢」をとる際には、中央のCの姿勢がとれれば十分であると私は考えます。
最後に、以下の図をご覧ください。

Aの姿勢に比べると、CやEは背すじを伸ばした姿勢です。CとEの姿勢の違いはどこにあるのでしょうか?それは、背すじの伸ばし方の意識の違いにあると思います。
Eの姿勢では、文字通り「背すじを伸ばす」事に意識が向いています。結果として、背部の過度な筋活動が生じています。その一方で、Cの姿勢では、腹部深層を含む「身体の芯」を使う事に意識が向いています。その結果、自然と背すじが伸びています。自然と背すじが伸びているのか、意識的に背すじを伸ばそうとしているのか、これがCの姿勢とEの姿勢の大きな違いです。
姿勢や動作時の意識の使い方は難しいものです。意識の使い方を間違えると、かえって身体に負担がかかります。私の経験上、背すじを伸ばす事を意識しすぎて、かえって自らの身体に負担をかけている人は多いと思います。背すじを伸ばす際には身体の芯を軽く伸ばす位で十分です。
次回のブログは「猫背は本当にダメなのか?」シリーズの最終回です。これまでに書いてきた事を振り返ろうと思います。
わたりたかし「ところで、播州太郎は普段どんな姿勢なん?」
播州太郎「吉本を観るときはA、巨人戦を観るときはEの姿勢やなー」
わたりたかし「・・・」
それでは、また次回。
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