猫背は本当にダメなのか?-03

前回のブログで、以下の図を紹介しました。

🙆‍♂️

上の図の座位姿勢は、どれも首肩周りの余分な力が抜け、座骨をうまく使って身体を支えています。これらの姿勢は、基本的に腹部深層の適度な筋活動によってコントロールされています。したがって私は、これらの姿勢を⭕️と評価します。

播州太郎「モデルは❌やな」

わたりたかし「やかましいわ」

では、上記3つの姿勢の中で、どれが最も適切な姿勢と言えるのでしょうか?それは目的次第と私は考えます。例えば、上を向く時はBの姿勢(猫背)よりも、Dの姿勢(伸び背)の方が首肩周りにかかる負担が少ないです。その一方で、下を向く時はDの姿勢(伸び背)よりも、Bの姿勢(猫背)の方が容易です。つまり、どの様な動作を行うか次第で最も適切な姿勢は異なる、と私は考えます。

上を向く
下を向く

これらの姿勢をX線で撮影すると以下の様になります。

上を向く(X線)
下を向く(X線)

これらの画像は、個人的な研究のため、過去に職場の技師さんに頼んで撮ってもらったものです。これらの画像を眺めてみても、上を向く時は伸び背が有利な一方で、下を向く時は猫背が有利な事が分かると思います。

もう少し具体的な動作を見てみましょう。例えば、腕を挙げる場合は、猫背よりも伸び背の方が有利です。その一方で、本を読む場合は、伸び背よりも猫背の方が有利です。これが、どの様な動作を行うか次第で最も適切な姿勢は異なる、という事です。

腕を挙げる
本を読む

時々私は、背すじをかなりピンと伸ばしながら読書をしている人を見かける事があります。一般的には良い姿勢とされているのかもしれません。しかし私の印象は異なります。その様な姿勢は首や背中にかなり負担がかかっているかもしれません。

⭕️ or ❌?

猫背は必要な姿勢です。猫背にうまくなれないと、身体の様々な部位に余分なメカニカルストレスが加わります。例えば、起き上がり動作で首に負担がかかったり、睡眠時に肩に負担が加わったりします。これらは、ほんの一例です。

その一方で、猫背になるのが上手だと、様々な動作を滑らかに行う事が可能になります。個人的な印象ですが、ピアニストのフジコ・ヘミングさん、清塚信也さんなどは猫背になるのが上手だと思います。また、X JAPANのYOSHIKIさんもそうです。ピアノという楽器の特性が、うまく猫背になれる事を必要としているのかもしれません。

私は声を大にして言いたい、いや、文字を太くして書きたい。

猫背にうまくなれるのは大切な能力です。

さて、本日のブログでは、「適切な姿勢」に対する私の考えの一部分を書きました。また、猫背の大切さについて書きました。猫背にうまくなれるとは、身体を丸くできるという事です。とはいえ私は、「背すじを伸ばす」という事を否定している訳ではありません。背すじを伸ばせる事は、身体を丸くできる事と同様に、大切な能力です。次回のブログでは、「背すじを伸ばす」という事についてどの様に行うべきか、私なりの考えを書きたいと思います。

播州太郎「ところで、わたりたかしはピアノひけるの?」

わたりたかし「『猫ふんじゃった』なら・・」

それでは、また次回。

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